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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第3章 誓約
「そんな、つまらないなんて言わないで下さい。私……嬉しかった。私にもできたときは本当に嬉しかったし、あの子達も可愛くて、すごく嬉しかったんです。だけどやっぱり、神様として生まれたなら、神様として在った方が幸せなんだなって……そうですよね」
そう自分を見上げてくる少女の目は相変わらず腫れていたが、日嗣は何も言わず頷いた。それを自分が否定することはできないし、神依もまた、それを知っているはずだ。
 「あ、でも──二人のことで何かを決めるときは、最初にお互いにちゃんと言うこと。いいですね!」
「……ああ、そうだったな」
それはいかにもわざとらしく、物憂げな雰囲気を吹き飛ばそうとの心配りが透けて見える口調だったが、日嗣も素直に頷いてみせた。二人一緒に、どちらかを置いてきぼりにしないように──それが、あの夜の約束の一つだ。
 それに神依もまた安心したように笑んで、手を強く握り直す。
「私はまだ半分、巫女だから……きっと、日嗣様とは違うこともあると思います。でもそれって結局、みんな同じなんですよね」
「そうだな。同じ神であっても俺と彦は違うし、お前と優沙であってもだいぶ違う」
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