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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第4章 傘爺

詠士は詩織が応えるとずかずかと教室に入ってくる。詩織に取ってよそのクラスは一種外国のような、絶対に侵しがたい領域だというのに──こういう大胆さは、ちょっとだけうらやましくも思ってしまう。
詩織自身は通知表に、「授業中もっとたくさん手をあげて発言しましょう」とか「もっと積極的に、クラス行事に参加しましょう」とか書かれてしまうような、どちらかというと大人しい子供だった。
なので双子なのに似てないね、とはよく言われるが、全部の双子が顔や性格など瓜二つで生まれてくるわけでもないようなので、仕方がない。お父さんとお母さんにどうして似ていないのか聞いてみたこともあったが、ソーセージの話になってしまってよくわからなかった。
だから困ったような顔をする詩織に、お父さんとお母さんは笑って言ってくれたのだ。
「きっと母さんのお腹の中で、いろいろなものを綺麗さっぱり、二人で分け合いっこしてきちゃったんだろうなぁ」
「そうだね、詩織と詠士は赤ちゃんの頃からずっと仲良しだったもの。だから二人は半分こでも、お母さんは二人に会えて二倍嬉しかったのよ」
詩織自身は通知表に、「授業中もっとたくさん手をあげて発言しましょう」とか「もっと積極的に、クラス行事に参加しましょう」とか書かれてしまうような、どちらかというと大人しい子供だった。
なので双子なのに似てないね、とはよく言われるが、全部の双子が顔や性格など瓜二つで生まれてくるわけでもないようなので、仕方がない。お父さんとお母さんにどうして似ていないのか聞いてみたこともあったが、ソーセージの話になってしまってよくわからなかった。
だから困ったような顔をする詩織に、お父さんとお母さんは笑って言ってくれたのだ。
「きっと母さんのお腹の中で、いろいろなものを綺麗さっぱり、二人で分け合いっこしてきちゃったんだろうなぁ」
「そうだね、詩織と詠士は赤ちゃんの頃からずっと仲良しだったもの。だから二人は半分こでも、お母さんは二人に会えて二倍嬉しかったのよ」

