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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第4章 傘爺
それで通知表は、楽しい夏休みと冬休みが終わるまで、詩織が目にすることは一度もなかった。

 一方で、「もう少し落ち着いて行動しましょう」とか「授業中のおしゃべりはやめましょう」とか書かれてしまう詠士はそんなことは気にも留めない。
 それを表すかのように教室に入るなり詩織の前の席に勝手に座ると、カタンカタンと舟を漕ぐように椅子を揺らした。
「詩織、頼む! 国語の教科書かして」
「えー、また忘れたの? 詠士は人の顔のとこに落書きするからやだ。それでこないだ、あたしが先生に怒られたんだから」
「それは父さんから教わったゲージュツ作品! 詩織だって、ちょっとは笑えただろ?」
否定はできない。それで授業中に吹き出してしまって、怒られたのだ。
「もー……! 帰ったらお母さんに言うからね!」
だからそれを隠すように渋々といった体で教科書を差し出せば、それを見計らったように廊下から詠士を呼ぶ声がする。こちらを覗きこむ男子達の手にはサッカーボールが抱えられており、詠士は「サンキュ」と短く礼を言うとあっという間に駆けていってしまった。
 なんとも慌ただしいが、屈託のないお調子者は、クラスのムードメーカーとして愛されているようだった。
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