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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第4章 傘爺
 面白半分で話してはいけないと言われたから、辺りを念入りに窺い、誰もいないことを確認して至極真面目に聞いたというのに──自分とまったく同じ反応をしたことに、詩織はついつい吹き出してしまう。どんなに似ていなくても、やっぱり双子なんだと安心もした。
 けれども突然笑われた詠士は、訳も分からず頬をふくらませてぼやく。
「なんだよー、なんも面白くないだろ」
「ごめんごめん、あたしもおんなじこと言ったから」
「双子なんだから当たり前だろ」
「うん」
トン、トンと。やはり爪先で傘の先をつつきながら歩む詠士の足元を見ながら、詩織は頷く。詠士の細い手足はいつも楽しそうに動いていて、まるでダンスをしているよう。
 「で、傘爺って?」
「うん。あたしも今日聞いたんだけど──」
二人の声はひそひそと雨風に紛れ、霞んでいく。
「──でね、そのボロい傘のせいで雨が降るんだって。でもおとな達には見えないみたいなの。ほんとにいるのかなぁ」
「うーん、幽霊と呪いのアイテムかぁ」
「ね、不思議な話だよね。でも詠士が知らないって、詠士のクラスではそういう話ないの?」
「俺はだいたい外で遊んでるし、聞かねーなー。でも女子はそういう話、好きだよな。占いとかさ」
「ああ、そっか。たしかに」
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