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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第4章 傘爺
 しかし敵は心ない運転手だけではない。
「水溜まりゲーム!」
「きゃっ! 詠士!」
言うなりばちゃんと目の前の水溜まりにジャンプする詠士に、その水しぶきを浴びそうになった詩織は慌てて飛び退く。
「もう! 靴濡らすと、明日気持ち悪いよ。お母さんに怒られるし」
「へーきへーき、ドライヤーで乾かすから。長靴もあるし」
「あたしはそれもいや」
生乾きの靴なんてまっぴらごめん。ましてや、長靴なんて履いていく子なんて小学校に入ってから見たこともない。恥ずかしいし、下駄箱からはみ出しそうで絶対に嫌だった。
 「詠士、中庭の池の石もそうやってて落ちたよね」
「落ちても助けてもらえるから大丈夫!」
「運が良ければね──あ、そうだ! じゃああたしは、詠士と逆にする!」
「逆?」
「うん!」
水溜まりだけをぴょんぴょんと跳んでいく詠士に対し、詩織はその隙間を縫ってジャンプして、着地のポーズを決めてみせる。
「通学路、半分こね」
「いいなそれ! 両方合わせたら、全部俺たちのだな!」
「うん、あたしたちの!」
 二人一緒の登下校はいつだって、特別な冒険。だから二人は普通に歩くより何倍もの時間をかけて、毎日決められた道を往復する。
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