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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第1章 初髪、初鏡
 陰影の深まった二重(ふたえ)の弧はその恥じらう瞳をより強調して見せて、いっそ攻撃的と思えるほどに重ねた赤の瞼すら、散る間際の花にぞ見える。
 味わうというよりは、食い散らかしたくなる娘。
 衣桁(いこう)に掛けられている衣を、帯を、紐を千千(ちぢ)に乱して、その中央にこの玉肌の少女を淫らな姿で寝そべらせたら、それはきっとどんな芸術品よりも美しく、情欲をそそるものになるに違いない。
 「……良からぬことを考えているな、初瀬」
不意に沈黙を破った男の声に、初瀬はその良からぬことを考えていた顔のまま対峙する。
「そうだな……、宴会が終わる前にめちゃめちゃに酔わせて、お持ち帰りしちゃおうかな~くらいには良からぬことを考えていたよ。その先のことまで考えてたけど、聞く?」
「あいにく聞くまでもない。お前の頭に浮かんでいた光景は、今日こそそのまま俺が成してやるから安心して別の家に降れ」
「わー、日嗣ってばやらしー。僕はこんなにお肌がぷるぷるだったら上から酒でも引っ掛けて、髪の先から足の先まで舐めて啜ってしゃぶりつくそーとか思ってたんだけど、君、やるの?」
「は、初瀬様、日嗣様……! また怒りますよ!!」
「……!」
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