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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第1章 初髪、初鏡
 そして自分がいない間、そんな言葉のつばぜり合いがなされていたことなど露知らず、神依は一人ぬくぬくと布団に潜る。
 今日はこうして、どの家でも巫女や禊達は昼頃まで眠り、ゆるゆると新年の一日を過ごしていく。また挨拶回りもしなければならないし、禊や童も各々集まりがあって出掛けることになるのだが、それを除けば本当に静かに、穏やかに過ぎていくはずの数日間だった。
 そして幸いにもその一日目は、冬とはいえいつもより暖かい空気の中で迎えられた。冬の薄い光でも部屋を暖めてくれるのだろうか。或いは、禊が布団に火熨斗(ひのし)を当てておいてくれたから、それがまだほかほかと温かいのかもしれない。
 春の始めの頃のような優しい温もりと、柔らかいお日さまの香り。そして夢現の中、薫風に遊ばれるようにさらさらと撫でられる髪に神依は日嗣を思い浮かべながらまどろむ。
 日嗣は、二人の時はよく神依の髪を弄くった。この撫で心地が好きだと言って、指先で絡めてはほどき、絡めてはほどき……。神依自身は日嗣の髪の方が綺麗だと思っていたが、それでもその手癖は嫌いではなかった。そんな幸せのこそばゆさは、好きだった。
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