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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第1章 初髪、初鏡
 「……日嗣様……」
だからまどろみの中で感じるそれも心地好く、今日は目を覚ましたらずっと一緒にいられる、とその名を呟く。
 ただ、一番最初に起きるのは何となく嫌だ。皆を起こすのも申し訳ないし、まだ人の温もりの混ざらない冷たい空気は、まるで自分がひとりぼっちであるかのような寂しさをもたらす。たとえそれが錯覚であっても、できることなら一番最後、みんなに「おはよう」と言って迎えられる方がいい。
 そんなことを考えながら夢と現実をたゆたっていると、時間の感覚も失せていく。それからいかほどかが経った頃──神依はふと体に違和感を覚え、再び意識を覚醒させた。
 「……? ……ン……?」
何かが胸元でうごめいて、その形や感触、重みを確かめるように乳房をすくい、やわやわとこねている。その感触を味わうように、何度も何度も。
 そして布団の中、寝着の裾を上へ上へと引き寄せるように手が這わされ、むき出しになった足に明らかに別の人間の足が絡む。
 「──っ!!」
ここに至って、今度こそ神依はぱっちりと瞼を開き慌てて飛び起きた。
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