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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第2章 桂楫
 しかし雛は何でもないように首を横に振り、続けた。
「洞主様も駄目なら、やっぱり神様に頼んだ方が早いんじゃないかなあ」
「でも……」
「進貢でお願いすればいい。昼間が無理なら、夜でも。一応朝って決まりはあるけど、夜が駄目って決まりはないだろ。夜は多分、その花の神様も眠ってる。だけど──高天原には夜の神様だっているんだぜ。巫女さんが大事なら、できることは何でもやってみたらいい」
 それを聞いた九ノ弟は、そうか、と思う。
 自分達はそれこそ現状を遣り過ごし、日々を嘆き、耐え忍ぶことしかしていなかった。手の届くところしか頼らず、それに甘んじていた。それは……多分、怠慢だ。
「そうだよな……何もしないのは、全部優沙様のせいにするだけで……もしかしたらズルかったかもしれない」
「うん」
「それで全部がこのまま悪い方で終わったら、きっと九ノ兄も僕もすごく後悔すると思う。……九ノ兄は本当に優沙様のことが好きだったから。僕も、前は優沙様が好きだった。だから……またそうなるように、やれるだけやってみる。……ありがとうな」
「別に、礼を言われるようなことじゃないけど。……上手くいくといいな」
「うん」
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