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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第2章 桂楫
こうなる前の優沙は本当に自分を可愛がってくれた。ちょっと意地悪もされたが、その後には甘いお菓子をくれたり優しくお喋りもしてくれた。
 だからそれが無くなったことを嘆くより、取り戻すことに力を尽くそうと九ノ弟は立ち上がった。



 「……進貢を夜に? 嫌よ、もう絶対に表になんか出たくない! 夜に行って、暗い中でまた得体の知れない花でも摘んでしまったらどうするの? 絶対に嫌よ!!」
しかし最初優沙はそう言って泣き喚き、代わりに九ノ弟が広場へと通った。
 正直、あの雛が言っていたことが正しいかは分からない。花の神も目覚めているかもしれないし、単純に夜中に一人外に出るのは怖かった。
 それでも、きっとあの雛ならばやるだろう、と。今度は良い話ができるようにしようと自分を奮い立たせて、九ノ弟は音を立てないよう言葉も交わさず外に出た。
 見れば深紅の花々は皆、花弁を丸め眠りについている。
(……行ける……、助けられる!)
夕のうちに開けておいた裏の勝手口を抜け、直後九ノ弟は進貢の広場へと走り始めた。
 そう遠くはない距離。
 それでも息を切らしながら辿り着いたそこで、童はどの花がいいのか分からず更に広場中を歩き回った。
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