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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第1章 初髪、初鏡
「え~、だって僕も男神だし、噂の巫女は気になってたし。それにこの子すっごく気持ち良さそうに寝ててさ、潜り込んでも全然起きないから……こう……ねえ?」
「……ッ!」
その何かをムニュッとする両手の動きに神依は慌てて胸元を隠し、それを見た日嗣は月の神もかくやといった笑みを浮かべるとただ一言「去ね」と宣い、初瀬をびたんと畳に放り出す。
「今すぐ門松と鏡餅を叩っ切ってやる」
「ちょ、ごめんごめん。元日に刃物は良くないよ。いやーでもちょうどこう、しっくり手に収まる感じでそれこそ餅みたいに柔らかくてつい……、……ごめんなさい」
「というより、元日から我が家で流血沙汰を起こすのは辞めていただきたいのですが」
仲がいいのか悪いのか判らない二柱のやり取りに、日嗣が剣に手を掛けたところで禊が口を挟む。ついでに、
「神依様、明けましておめでとう。それから一ノ兄、お雑煮できたよ。“五人”分」
「……一ノ弟……」
ここに居る誰よりも大人な対応を見せる童が姿を現したところで駄目な大人達も我に返り、神依も苦笑いを浮かべながらひとまず「おめでとう」と応えた。
「……ッ!」
その何かをムニュッとする両手の動きに神依は慌てて胸元を隠し、それを見た日嗣は月の神もかくやといった笑みを浮かべるとただ一言「去ね」と宣い、初瀬をびたんと畳に放り出す。
「今すぐ門松と鏡餅を叩っ切ってやる」
「ちょ、ごめんごめん。元日に刃物は良くないよ。いやーでもちょうどこう、しっくり手に収まる感じでそれこそ餅みたいに柔らかくてつい……、……ごめんなさい」
「というより、元日から我が家で流血沙汰を起こすのは辞めていただきたいのですが」
仲がいいのか悪いのか判らない二柱のやり取りに、日嗣が剣に手を掛けたところで禊が口を挟む。ついでに、
「神依様、明けましておめでとう。それから一ノ兄、お雑煮できたよ。“五人”分」
「……一ノ弟……」
ここに居る誰よりも大人な対応を見せる童が姿を現したところで駄目な大人達も我に返り、神依も苦笑いを浮かべながらひとまず「おめでとう」と応えた。