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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第2章 桂楫
 鼠英の結界は三人を拒まず、けれども神依は初めての出来事に戸惑い、禊は用心深くその目的を問うた。が──優沙は何を語るでもなく右腕に巻き付けてあった包帯を取り払うと、その印を神依の前に晒してみせた。
 指先に至るまで、腕全体にうっすらと赤く残る斑の痕。取り分け肘の上からはその色も濃く、黒みを帯びた見慣れない朱印が滲んでいる。けれどもその甲には、自身の頬にあるものと同じ──月読の銀朱の印が、確かに刻まれていた。
 それはあたかも、血肉で作られた朧の月夜。
「……つ……月読様の、お遣いの方……ですか?」
おずおずと問う神依に、優沙は再び包帯を巻きながらゆっくりと頭を横に振る。
「いいえ。いえ──でもある意味ではそうかもしれない。私はあの方の巫女ではないけれど、あの方は私に取っての目標でもあり、絶対の指針でもあるの。だからあなたがあの方の目に叶う振る舞いをしてその朱印を得て、困難を乗り越えまたここに戻ってきたのなら……私はやっぱり、あなたに会わなければいけない気がして」
「……?」
「いやね、そんな顔しないで。ただ──そうね、みんなで一緒にお茶でも飲んで、お喋りしましょうってこと。だから──ね、良ければこれから、私の家に遊びに来ない?」
「……遊びに?」
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