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恋いろ神代記~神語の細~(おしらせあり)
第3章 誓約
 「──んじゃまた明日な。今度はそっち遊びに行くわ」
不意に前から話しかけられて、日嗣は視線を友に戻す。
「それでもいいが、俺は昼過ぎまでいないぞ。春先はどこも忙しいらしくてな。また童に付いて回る」
「そりゃちょうどいい。孫にいびられてないか、禊に訊いてやる」
「あいにくとやましいことは何もないな。好きにしろ。──ではな」
「おう」
そうしていつもの場所で二人は別れ、日嗣が歩き始めればその背後で猿彦はもうその姿を消している。
 (……やましいこと、か)
好いた女と一つ屋根の下にいて、やましいことがない男がどこの世界にいるか、と日嗣はほくそ笑む。
 特に今は、何をするにも二人が一緒なだけで楽しい。二人で共有する秘密は特別なもので、胸の奥からわくわくとした高揚感が沸き上がって、気持ちも踊る。そういうものは大抵、時が経てば露見するものではあろうが、わざわざ自らの手でふいにすることもない。
 「あっ、兄ちゃーん」
そんなことを考えつつ歩き慣れた道を進んでいれば、すぐに幼い師が背後から傍らに駆けてきた。足元には、小さな兎神を伴っている。
 「今帰りか。今日は遅いな」
「うん、相変わらず研磨はやらせてもらえなかったけど、久々に石に触れたら楽しくなっちゃって、ずっと選別に回ってた。俺、もう大丈夫なのになぁ」
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