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美術教師の羞恥奴隷
第37章 お手洗いにて ■藍里編①■
 ところが数十秒後、藍里はうっかり、こらえきれぬ甘い声を少し漏らしてしまう。

「あ……ん……」

 慌てて口をつむぐが、時既に遅し、だった。

 藪下は白々しく、怪訝そうな声色で尋ねる。

「気分が相当悪いんだろ? そんなに体調が悪いようなら、今日はやめにしてもいいぞ。その代わり……それだともう展覧会には間に合わないから、この話自体をなかったことにしたい。それでいいか?」

「あ、いえ、その……大丈夫です……。お待たせしてすみません! すぐ出ます」

 言うが早いか、もう一度水を流して手を洗った後、藍里はすぐさまお手洗いを飛び出す。

 藪下の揺さぶりが効いて、藍里が衝動的に行動してしまった結果だった。




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