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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第6章 身体が先か、恋が先か――
フワリ、と頬に柔らかい感触。
気付けば、しのが痛みを堪えているのだろう――額に汗をうっすらと滲ませながら笑顔を堺に向けていた。光が溢れるような微笑みに、堺の胸にあった抉られるような苦しさがスッと引いていく。
「泣いてるの……?」
「――?」
堺は、その時初めて涙が自分の頬を濡らしているのに気付いた。
拭き取るようにゆっくりと彼の頬をしのの指がゆっくりとなぞって首筋で止まる。
「何か……悲しいの?」
「しの……っ」
痛いのはしのの方ではないのか。初めて男に身体を開かれ引き裂かれ、涙を流したいのはしのの方ではないのか――?
堺は込み上げるいとおしさをぶつける様に、彼女をきつく抱き締めた。

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