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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第6章 身体が先か、恋が先か――
「……っ……」
繋がったまま、堺が強く抱き締めると、しのが顔を歪めて瞼を瞑った。ほんの僅かな動きで痛みを増幅させてしまっているのだろうか。堺が心配そうに彼女を見詰めると、しのは小さく言った。
「凄く悲しい事って……簡単には消えないわよね……」
「し……」
堺は思わず込み上げそうになった言葉を呑み込むと、しのの顎を持ち上げ、唇を塞いだ。
――悲しい事なんか、忘れさせてあげる、と言うのは容易いが、心に深く刻まれてしまった惨い傷を癒やすのは時間しかないのだ。堺自身が嫌という程に分かっている事実だった。だが、彼の傷はまだ乾いていない。軽くつついただけで呆気なく破れて血を流す。彼女もきっとそうなのだ、と思った。

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