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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第2章 出逢い、夏フェス
「とにかく、怪我人なんだ。彼女を手当てしないと」
「救急車でも呼びますかあ?」
「――!」
やる気のない返答に堺はカチンと来るが、スタッフは悪びれない。
「だって、俺ら、今日限りのバイトっすよ?ステージの前に立ってるだけでいい仕事でしょ?
こういう事があったらどうするだとか――何にも指示されてませんし――言われてない事は分からないから――」
「……っ」
恐らく二十代前半の若者だろう。堺は、ポキノン主催のイベントのスタッフの質に疑念と失望を覚えざるをえなかった。
「いや……そんなわけはないでしょう。イベントスタッフは何のために居るのか、わからない訳じゃないでしょう?
今日一日限りだろうとバイトだろうと関係ない。お客様もスタッフも出演者も全員が安全に気持ちよくイベントを楽しめるように……その為にっ」
穏やかに話すつもりが知らず知らず声が大きくなる。
その時、ステージの方から聞き覚えのある声がマイクを通して耳に入ってきた。

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