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第46章 戻れない弟

「健、今夜はちょっと面白い店に行ってみないか？」

日本を離れて一ヶ月、やっと現地での生活に慣れてきた健を梅崎が誘う。

梅崎は健より2つ年上の大学生で、本城が用意してくれた健の世話係兼語学の家庭教師だ。

顔を見てもわかる純日本人だが、父親の仕事の関係で子供のときから外国暮らしなので完全なバイリンガルだ。

イケメンではないが優しい性格が顔に滲み出ている温和な好青年で、健もすぐに打ち解けることができた。
健にとっては心強い兄貴分だ。