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彼の秘密
第10章 テスト後
「で、結局賭けは?」

「負けました。」
翌日の昼俺たちは屋上で弁当を広げていた。
雅は真姫の膝で真姫に食べさせてもらってる。
その右隣に神室が座って弁当を広げその隣に澄、俺、先輩となっている。
俺と先輩の間に澄が満足顔で座ってる。
俺と澄の点数差は二点で澄が勝った。

それで今日の澄の昼はパンを奢ることになってしまった。
「というわけで先輩、俺約束が」

「良いよいいよ、賭けに負けたんだし楽しんできな。
お土産楽しみにしてる」

あれ?先輩あんまり驚いてないというか怒ってない?
俺澄との賭けのこと言ってなかったのに
優しいというかすごい申し訳ない
「すみません」

「いいって、で?俺との賭けは?」

「あ、それは何とか入りました。ぎりぎり3位ですけど」

「あれ?澄君は入ってないの?」

「入ってないですよー、別に順位とか興味ないですし。因みに25位ですけど」

「他のが惜しかったよねー」

「別に順位とかはいいんだよ」

「それってできない人のいいわけじゃない?俺なら全てで勝ちに行くけどね。
相手を抑え込むくらい。
じゃないと勝者を名乗れないと思うなー」

「それはあんたの持論だろ?押し付けないでくださいよー」

あ、また空気が怖くなってきた。
「ふ、2人ともご飯は楽しく食べようよ、ね、澄も先輩にそんな口聞いちゃだめだよ。
先輩も澄に突っかかりすぎだと」

「・・・」
「・・・」
2人はじっと俺を見て何かを言いたそうにしてる。
何か変なこと言ったかな。

と思ったら先輩は俺の頭を撫でてそのまま何も言わず箸を進めた。
澄はため息を吐いてごめんと小さく笑ってパンを食べ進めた。

そんな三人の様子を神室と雅と真姫が呆れた顔で見ていた。
「なぁ、あれで二人の好意に気づいてないんだぜ」
「鈍感にもほどがあるでしょ」
「姫は、俺の好意に素直に喜んでくれないけど」

「それは・・・知らない」

「あーあ、べっどの上」「黙って」
雅の口に卵焼きをほおりこむ。
「むぐ・・・・まぁ気づかないほうがいいこともあると思うけど二人が気の毒だね」

「だな」
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