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彼の秘密
第11章 困惑
一緒にいられない。
そう思ったらシャツを握ってた手から力が抜けた。
「雫、大丈夫?」

だめだ、この気持ちが知られたらきっと嫌われる。

そんなのやだ

一緒にいたい、けどこのまま一緒にいたらきっと自分の気持ちはばれる
先輩はそんなことがわからないような人じゃない。

なら自分の気持ちを隠せるようになるまで、いないほうが良いんじゃ
咄嗟に俺は先輩を両腕で押した。
そうしたら先輩はよろめいて後ろに半歩下がった。

「ご、ごめんなさい。
俺、急にこんなことして・・・その、もうお昼は一緒に食べるのやめにします。
先輩のプライベートの時間・・・大切ですもんね。
今まで邪魔してすみませんでした。・・・ッ」
そういって俺は先輩の顔を見上げて息を飲んだ

彼は少し悲しいように見えたから

胸が酷く痛んだけど、そうさせてるのは俺だ

俺はそれ以上彼の顔を見ることをしたくなくて背を向けて逃げた。

本当に最低だ
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