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彼の秘密
第12章 憂鬱
誰とも話さず、その週は過ごした。
とは言っても俺が一方的に避けてたんだけど。

授業が終わるたびに、伊藤君あたりに行き話して澄とは口をきかなかった。
昼はもちろん屋上に行くはずもなく。

・・・ほんと、最低。

だめだ、気分を変える為に外に出かけてるのにこんなんじゃ意味がない。

「あ、あのお客様。お飲み物は」

「あ」
気持ちを切り替えるために俺はコーヒー店に来ていた。
順番がいつの間にか来てたみたい

「えっと、ブラックのレギュラーとチョコレートケーキをお願いします。」

「かしこまりました。」

お盆に置かれた、コーヒーとケーキを受け取ってテーブルに着いた。

そして一緒に持ってきた課題を広げる。
ここ最近、集中が全くできてなく勉強がおろそかになっていた。
それを補うための気分転換でもあった。

甘いケーキを食べながらホットコーヒーで甘みを溶かす。

夏だが、ホットだけはやめられない。
じんわりと熱いほどに体が温まるがクーラーの風が体を冷まさせてくれるおかげで辛くない。

少しだけ気分が和らいだ。
ぺらっと教科書をめくる。

ここ先生何か言ってたっけ。ノート・・・何も書いてない

まぁ、いっかな。
教科書位なら普通に解けるだろうし・・・ふと先輩との勉強した日が頭をよぎった。

あの時は先輩の出す問題わけわかんなくて、大変だったっけ。
でも、あんだけ難しい問題をといた後は学校のテストは驚くほど簡単に感じて勉強しやすかった。

澄ともそういえば久しぶりに遊んで、勉強はすこしだけしたんだよな。
あの日は楽しかった。

・・・・・・悪い思い出だけじゃない。

それが今こんな風になってるのは俺のせい。

・・・折角考えないように出かけたのにこれじゃ意味がない。

教科書を閉じて、コーヒーとケーキだけに意識を向けて頬張った。

でも、味はほとんどわからなかった。
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