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彼の秘密
第14章 決意
「むかつく、本当にそうやって涙浮かばせれば逃がしてくれると思った?
寧ろ・・・奪いたくなる」
澄はくいっと顎をもちあげて顔を近づけてくる
「えっ?」
あ。この感じまた冬樹と同じことされる?

違う、澄は・・・やっとわかったかもしれない
「いいよ、出来るならしてよ
無理に捕まえるでもなんでもすればいい俺は澄をたくさん傷つけたもんね。
これくらいされても文句は・・・ないよ
けど、気持は変わらないから」

「っつ!・・・なんで俺じゃなかったんだよ。俺だったら」
澄は見透かされたのが気まずそうに顔を歪ませて肩に埋もれさせた
首元から澄の体温と声が伝わる
「俺だってわかんないよ・・・けど俺にだけ見せてくれる笑顔があるんだ。仮面じゃないくて感情がそこに存在する顔がある。それがみれるのが俺だけって考えると嬉しくて胸が痛いくらいに跳ねてね・・・今まで好きになったこはいる、けどねこんなの今までなかった。
可愛いとか、綺麗とかはあった。
でも側にいたい、触れ合いたいって思ったことは一度もないのに
彼にだけはそれがあった
これを恋だというのなら俺は澄は好きになれない。
友達以上は無理なんだ。
もしかしたらキスだってできる、ハグだってできる・・・けど心は動かない」
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