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彼の秘密
第15章 告白
定期を握って電車に乗る。
その時も先輩を探したが乗ってる気配はなかった

電車を降りると真っ先に先輩の家に向った

ぽつんぽつんと雨が降ってきた、それは直ぐに大雨となって地面に降り注ぐ

雨で濡れた地面で時々滑りそうになる、額にへばり付く髪は視界をさらに悪くした

それでも足は止めない、あったら文句を言うかもしれないけど会いたい、とにかく今はそれだけを考えた

アパートに着いたが明りは点いてなかった。
インターホンを押すが案の定反応はなかった

残るはコーヒー店のみ、行くのはもちろんあの日にいったコーヒー店だ

先輩のアパートからそう遠くないru_kaffeは10分で着いたが体は十分に冷えていた。

ここでいなければもう無理だ
木材でできた風合いのある扉を開いた。
ちゃりんと軽いベルの音が来店を知らせる、雨もあってか中には客が少しいてびしょ濡れの自分をみてひそひそと話す姿が目に入ったがそんなものに気持ちが動くほどの体力は残っていない
したたり落ちる雨粒をぬぐいながら店内を見渡すが、先輩は見当たらなかった

がっくりと肩を落とした、こんなに捜したのに先輩は居ない
もう戻っても探すだけの時間も体力もない

これで終わり?やだ、まだ終わりたくない

立ち尽くす俺に店の店員がバスタオルを持ってきてくれた。
それはやさしそうな白髪のおじさんだ
「お客さん、あんた大丈夫かい?風邪ひくから暖かいコーヒーを出してあげよう」
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