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彼の秘密
第16章 新しい関係
会長と共に来たのは、屋上。
俺はフェンスに寄りかかって空を眺める。
「あんたが勝ったんだから、なんでも言ってくださいよ。俺は受けいれますよ」

「別に何もしないよ。俺は」

「はっ?なんでですか、賭けは」

「俺が勝つのが目に見えてたのに、君はそこに勝負をしてきた。でもそんなの勝負でも何でもない。
現に俺は雫に早く結果を出す様に仕向けたし。」

思わず重たいため息がでる

「どうりで雫が急に来たと思った、けど俺は負けるつもりで勝負をかけたわけでは」

「知ってるよ、君はそんな馬鹿じゃないだろう。
ただ、俺こそ君に敗けたと思ってるんだ」


「え、なんでですか?」

「昨日は本当は雫を自ら手放しそうになったんだ。まぁ理由は省くけどね」

「はぁ」

「それに君はふられにいくって言いに来たよね。」
そう、昨日雫のところに行く前に会長のところに行って報告をした、その時も会長は眉1つ動かすこと無く「そう」とだけしか言わなかった。
だから彼から敗けの言葉を聞いたことに驚いた

「あれさ、すごいなぁって。
俺はいつも泥臭くなんて頑張らなかったし。
どっか遠くで皆を見てた。
けど君は俺をそうは見なかった。対等に扱ってくれて・・・でも俺は君を下にしか見てなくてこれってすごいカッコ悪いなぁって恥ずかしかった。」


「・・・・まぁ、あれは」
あんたは言いに行かないのかって意味でも挑発したんだけど

「だから、君とはこれからも付き合いは良いかなって思う。だって本気で好きなんでしょ?
離れろなんて言わないよ。それこそ人間が小さい」

「へぇー、それはいつでも奪って良いってこと?」

「調子に乗らないでくれる?
俺のいないところで守ってあげてってこと、彼危なっかしいから」

それは確かに

「それに、俺が手放すつもりがない。離さないからね。それと、流石にメアドくらいは交換しない?
一々呼びに来るの疲れるでしょ」

「まぁ、そうですね・・・良いですよ」

まさか彼の名前が携帯に登録されるなんて思わなかった
これからも互いに毒は吐き続けるだろう、けど俺と彼はこれが丁度良い距離なのかもしれない。
いつもすましている彼の顔を汚い面にするのも面白いだろう
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