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彼の秘密
第5章 日常
「そうだよ!俺はあいつの事中学から好きだったよ!!!」
あー、もう恥ずかしい、なんでこいつはこんなこと聞きやがるんだ?
てか、絶対噂にされてバカにされる!!
「中学からかぁ、長いねぇ!どんなところがすきなの?」
と思った反応と真逆の女子見たく目を輝かせて、詰め寄ってきた。

「関係ないだろ?!なんで、そんなこと言わなくちゃならないんだよ!」

「えっ?だって聞きたいから。人が何かをしたい時の理由はいつでも単純だよ。
ついでに言うと、手助けしたい。
完全なお節介だけど。俺そういうの好きなんだ~」

「ほんとお節介だな。いいよ、どうせ無理だしな。」

「へぇ、付き合うのあきらめるの?」

「もともと、あいつはそういう趣味なんかねぇだろ。それにもう相手がいるならそれでよかったじゃねぇか」

「ふーん、あの言葉信じちゃってるんだ。あれさ、どう見ても嘘に決まってるじゃん」

「・・・はっ?なんでそんなこと」

「だから、そういうのには敏感なんだって!
ほら、本当の気持ちを話してみ?」
と肩に手を置かれたが、その手を振り払う

「いいよ、そういうお節介やめろ。うざい」

「もう、つれないなぁ。そんなんじゃ後悔するよ?俺みたいに。」

「お前が後悔したことあるからってそれを人に押し付けんな。
俺は、別にあいつに告白しようなんて考えてないよ。」

「そっか、なーんだ。なら俺が奪ってもいいわけね。」
ガンと腕を突き出し衝動的に神室を壁と自分の間に挟んでいた。
「冗談ならやめろ。」
神室は一瞬睨み付けてきたけどすぐにへらっと笑って
「・・・なーんだ、やっぱ他人に奪われるのは嫌なんじゃん。
それが、見たかった。
じゃあさ、気が向いたらでいいから困ったときは俺が手助けしてあげる。
これ、俺のメアドね。」
と胸ポケットに小さなメモ用紙が入れられた。
そして、腰を下げ俺の腕の下をするりと抜け
「それにしても、壁ドンて男にされても嬉しくないね。」

と服の誇りをはたきながら呑気に呟いている。
「お前、雫のこと」

「あぁ!勘違いしないでね。別に俺はそんな趣味ないから!!
今のはトオの反応を見るための鎌かけ。」
と言って非常口から出ていった。

いったい、あいつは何がしたかったんだ?
本当に手助け?

河辺は胸ポケットに入れられた彼のメアドをじっと見つめてまたしまった

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