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彼の秘密
第20章 夏休み間近
日差しが照りつけるなか、影に入りながら座る二つの影があった

ぱらぱらと各学年の成績と内容に目を通し、パソコンに入力していく渡とその横でベースのチューニングをする真浩。

暁は目頭を押さえながらため息を漏らす
「何でこんな面倒なこと」

暁が睨み付けるのは、各学年のテスト結果&内容と数字が並んだ成績順位表。

普通は教師がテストを採点し、データ化して生徒に返却するだけ。
しかしこの学校は+αで教師がまとめた各学年と各教科の成績表とテスト内容、失点した箇所の数字化したものをわたされる。

これにどんな意味があるのかというと、簡単には復習テストを自分達で作りなさいということ。
しかも全員に同じものではなく、成績クラスごとのものを作るのだから面倒でしかない。
成績が低いものは、テスト内容を少し弄りまた解かせ、基礎固めとステップアップを計れるものを
成績が普通の者は、テストよりも難しい応用を取り入れ、苦手克復と応用に強くさせるものを
成績上位者は大学入試を考えた問題をと言われており、又教師の目を通さなければいけないため手抜きも出来ない

生徒会の仕事は、テスト範囲の指定だから一見楽に見える。いや、実際は楽だった。
何故なら、もちろん仕事量が配分されるから。

なのに、渡がこんなにも疲れているのは全ての量を一人でこなさなければいけなくなったから


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