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彼の秘密
第20章 夏休み間近
本当は3人でこなす量を氷河はバイトがあるからと押し付け、もう一人はテスト時から崩していた体調を更に悪化させ早退した。
結果、全学年分を一人でしなければいけなくなってしまったというわけだった
パソコン画面とにらめっこしていると、流石に目が疲れてきて首を回した
すると、左肩にとすっと重さが加わる

「会長も大変だね、てかそのくらい教師がやれっての」
スマホを弄りながら、心にも無いことを言っている
「その会長に推薦したのは誰だっけ?」

「はっ、ざまぁないね
少しは苦労すれば良いんだから」
煙草を胸元からだし、口に加える

それを見ても渡は止めはしなかった
「あまり吸いすぎないでね。臭いでこっちまで疑われるから
それに、大学考えてるならだけど、やめな。内申良くないんだから」
そんな言葉には耳を傾けず迷わず口にし、ふうと煙を吐き、空を眺めた
煙が肺に回って自分の寿命を縮めてると知れば、少し嬉しい
「進学ねぇ、それより就職しよっかな」

「ふーん無理じゃない?ここ進学校だし真浩の成績ならいい大学いけるから先生にすごい反対されるの目に見えてるじゃん」

「そんなこといって俺の気持わからなくもないわけじゃないでしょ。
今一人で暮らしてるんだからさ」

「まぁね」

「だから俺も一人で暮らしたい。あんな親のとこに大学まで一緒に居なきゃいけないなんて吐き気がする」

「また親ともめたの?テストの結果が悪かったとか?」
俺にあるわけないことをわかりながらあえて聞いてくるとこ、良い性格してると思う
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