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彼の秘密
第21章 夏休み
「雫に君の好みを聞いて、買ってきたんだ
心配をかけてすまない」

りんご飴は俺が確かに好きだったやつだ、何年か前に行ったきり雫とは一緒に行けていなかった

なのに覚えてたんだ、それが嬉しかった
それを受けとると同時に会長に神室が荷物を抱えさせた
「いやいやいや!こんなんじゃ割りに合いませんよ、先輩は俺達の荷物持ちでもしてください」

「…まぁ、そのくらいはすべきだね」

「俺も」

「しずは良いの、それより花火はちゃんと見れた?」

「う、うんそっちは?」

「俺も綺麗なの見れたけど、とおはそうじゃなかったみたい、ずっと携帯見てたから
だから、帰りはとおと一緒に居てあげて」

「わかった」

「じゃあ、先輩には俺の家まで来ていただきます」

「えっ?」
皆が驚く中一人だけ神室はなに食わぬ顔で続けた

「だって、駅までとか近いじゃないですか
俺も先輩と親睦を深めたいのでご同行お願いします」

いつもの笑顔だったが会長と神室との間に見えない会話がなされたかのように一瞬沈黙が落ちた

会長は溜め息をつくと今度は雫に視線を移す
「わかった、ただ雫はできるなら河辺君の家に泊まらせてもらって
彼なら信頼できるでしょ?ねぇ河辺君」

と、目は見なかったものの言葉に威圧を感じた
「わかりましたよ、どうせ俺の親は歓迎するんで問題なしです。」
結局俺に課せられるのは拷問らしい
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