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彼の秘密
第22章 二期
「そんなもん気がつくだろ、あんなに仲良さげにしてたらな
我が校一のもて男を手玉に取るなんて、雫君はやるねぇ」

「からかわないでください」

「まぁあいつがよく笑うようになったのは、お前のお陰なのは間違いないから大切にしろよ。
あと何かあったら相談しろ、俺はお前の味方だ」
ずしっと頭に重さと熱が加わったのは、先生が頭に手を乗せたからだろう。
それは本当に頼りになりそうな大きな手で、心が安らぐ
「…はい」


「じゃあ、帰りますね…ぇ」
話も落ち着き教室からでようとして椅子から立とうと机に手を掛けたら前に引っ張られた
「あの」

掴んだ手首をじっと見つめる先生に戸惑う、少し怖い
「ん、あぁ 手がちっせぇなと思って。
すまねぇな、びっくりさせた」

視線に気がついた彼はなに食わぬ顔でそう言ってすぐに手を離してくれたけど、手首にはまだ握られた感触が残っていた
「いえ、じゃあ帰ります」

「おぉ、気を付けてな」

頭を下げて教室を後にした。

自分の手を見つめていたあの目は、ただ見ていた訳じゃない気がする。
でも絶対気のせいだと頭を降って打ち消した。


部屋に残っていた若松は煙を天井に向かって吹き掛ける、灰色の模様を描く煙を見て口の端をあげた
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