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彼の秘密
第22章 二期
そんな自分に気がついた先輩が手を止めて、頭を撫でてくる
「どうしたの?あっ、ごめん腕が痛かったかな。」

泣きじゃくってカッコ悪くてこんなんじゃ益々嫌われるかもしれないのに涙は止まってくれない

「違っ…いや違わない、けどもしかしたら、暁さんが俺の事嫌いになったのかなって…でも、普通男同士なんて付き合わないし、仕方なく付き合ってくれてるのかなとか…今日、荒いし。キス…も少ないし、手縛られるしとか考えていたら」

「仕方なくって誰かからそう聞いた?」

首を横に降る、ただ自分がそう考えてしまっただけでそうじゃないとわかっている筈なのに、どこかに不安が存在してしまう

「俺を疑うの?」
上から見下ろす彼の表情は曇っていて、眉間に皺が寄っていた。
どうしよう、彼を怒らせてしまった。
咄嗟に謝る、彼にこんな顔をさせたくなかった
「違う、違います。俺が気持ち悪い」
言葉を続けようとしたら、上から包みこまれた。

「そんなわけない!こんなに好きになった子なんていない。そういうこと言われてこんな…苦しくなったのは、初めてなのに
嘘だなんて、この気持ちが偽物だって言わないで
それだけは、雫でも許せないから」
きつく抱きしめられながら、泣きそうな声が聞こえて、言われた言葉はとても嬉しいもので、同時に酷く彼を傷つけてしまったと後悔した。

自分だって、彼への気持ちを否定されたら悲しい

「ごめんなさい…もう言いません。」
そういえば前もこんなことがあったのにその事を忘れていたなんて

肩肘を付きながら顔を上げた彼は、今度は優しく口を緩めていた。

「気持ち悪くない、前も言ったでしょ?
俺は雫が好き、それ以外はいらない。
それに腕を縛ったのはプレイだって言ったじゃない
…キスしなかったのは雫の蕩けてる顔が可愛いから眺めたくなったからだから…だから、俺が君を嫌ってるなんて、有るわけない
でも、不安にさせたなら責任取らなきゃだよね」
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