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彼の秘密
第6章 球技大会
「・・・あれ、ここ」

気がつけば保健室にいた
確か球技際で一試合目勝って二試合目の準備から記憶が無い。
体を起こすと頭痛と目眩がした。

「やっと起きた。大丈夫?」

すぐ近くで優しい声が聞こえて見れば本を片手に夕日に照らされる先輩がいた。

「ん、・・・はい。てか俺なんで」

先輩は椅子から立ち上がり近寄って顔を近づけておでこをくっ付けた。

「熱、やっぱ下がんないか。
今日、両親は?」

「いると思いますけど。もしかして俺ぶっ倒れたんですか?」

「もしかしなくてもそうだよ。目眩とかは?」

「少し・・・頭痛も。」

「取り合えず、熱計ろっか。」
と、体温計を渡してくれた。

体温を計っていると、先輩はじっと顔を見つめてくる。
「あの、顔に何か着いてます?」

「いや、辛そうだなあって」

「38,6°です、」
どうやら、相当悪化したらしい。
体調崩すことなんて滅多に無いから、ビックリした。

「もう、なんで言わなかったの?」

「えっ?」

「その様子だと、朝から体調悪かったようだけど。
会った時に言ってくれれば、休ませたのに。」

「すみません。すごい楽しみだったんで。それに」

「それでも、無理に参加して周りに迷惑をかけるようじゃ意味ないよ。」
冷たい声で怒られる
確かにその通りだ。
「まぁ、大事に至ってなくて良かったけど。保険の先生呼んでくるからまってて。」
と先輩は保健室を出ていった。

俺は、一人残されて

後悔した。

先輩にいいところを見せたかった。
先輩の試合を見たかった。だから無理をしたのに。
それで倒れて心配かけて
でも、自分のバカな行動で周りにたくさん迷惑をかけてしまった。

何もできずに終わった球技際は、後悔のみだった。
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