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彼の秘密
第8章 二人の関係
結果試合は見事に勝ち、学年優勝にはなった

だが俺の心は晴れない。
その原因はもちろん倒れた雫のこと。

「神室俺少しトイレ行ってくるから」

近くにいた神室にそういって俺は保健室に向った。

「失礼します」

中から声は聞こえなかった。まぁ勝手に入っても怒られるわけじゃないしいっか。

ガラッととびらを開けた
保健室にはカーテンがかかっているところがあった。
あそこに雫が寝てるんだろう

俺は彼を起こさないようにそっとカーテンを開けた。
そこには予想通り雫が寝ていたのはいいのだが、
「何しにきたの?」

なんで、会長がいるんだ。

「雫の様子を見に来たんですよ。それより会長こそ仕事はいいんですか?」

「仕事はもうないよ。」

「試合は?」

「試合は俺がいなくても勝つから」

「じゃあ、」

「あのさぁ」
質問する前に会長は開いていた本を閉じてこっちを見上げた。

「雫が起きるから話すなら後にしてくれないかな?
それかはっきり言えば?遠巻きに言われてもうざいんだけど」
そういう会長は相変わらずの笑顔だったが、言葉にはかなりの棘がある。

「なんでここにいるんですか?先生に任せればいいでしょ」

「・・・その先生が今近くにいないから俺がいるの。」

「じゃあ、俺が見るんで他に行ってください」

「君には任せられないから却下。」

「はっ?」

「さっき倒れた時にただおろおろするようなやつに、雫のことを任せられないってこと。」

「・・・っあれは」

「あれは何?ただ好きだけど傷つくのが怖くて仲良しのままでいいって逃げて逃げて逃げて、親友だっていうポジションに甘えて、いざ他人に取られるのが怖くなってそいつに当たって何がしたいの君は。それでいて大切な人が倒れても何もできない君に何を任せられるってわけ?」

その言葉は自分の心に酷く突き刺さった、言い返したいのに会長の言ってることは全てあっていて何も言い返せない自分がつくづく惨めだ
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