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彼の秘密
第9章 テスト対策
昼食が終わってからも勉強は続いた。
けど、午前とは違って先輩がわからないところを教えてくれる方式でやってくれた。

先輩の教え方はかなりわかりやすい。
「ここの問題は、俺わかりにくかったんですけど今のでかなりすっきりしました。」

「そう?ならこの問題やってみて」

「・・・こうですよね?」

「正解、雫ってもの覚えいいね。案外この調子じゃ順位よさそうだけど。」

「ほんとですか?俺BクラスなんでAクラスの上位組には食い込みたいんですけど」

「できるでしょ、実際そこまで実力差があるわけじゃないし、ただ一位にはなれないかもだけど」

その言葉で誰のことを言ってるのか一発でわかった。
「雅、ですよね」
雅はいわゆる天才というやつかもしれない

授業しか受けていないが、いつも小テストでは満点を出すし入学試験はぶっちぎりの一位だったらしく、その噂は学校全体に知れ渡っていた

「まぁ、その人を抜かしたいならもっと頑張んなきゃだけどどうする?」

「頑張ります。」
お茶を口にして、ペンを握る
「じゃあ、その手助けくらいはしてあげる」

そこからまた一時間勉強を教えてもらった。ただ、そこから急激に眠くなり始めた。
先輩の教え方が眠くなるのではない、決して。
ただ、昼食からちょうどいい時間になったからか眠気が襲ってきてしまったのだ。

「雫、眠いならやめるけど」

「・・・ごめんなさい」

「別にいいけど、これじゃ集中できないでしょ?一回休憩しよっか」

「・・・・」

「雫?・・・あ、寝てる」
渡は起こさないようにそっと毛布を掛けて、ノートを広げ勉強を続けた
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