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彼の秘密
第9章 テスト対策
俺は先輩に、勉強を教えてもらえることに少なからず嬉しくはあった。

だけど、それはすぐに変わる。

「・・・そこ、違うよ。ほらさっきの応用を」
彼の言葉が右から左へ流れる。
・・・全くわからない。

普段は、学校の授業じゃつまづかない雫は珍しく問題を解くのに苦戦していた。

それもそのはず、雫が今解いているのはテスト範囲だが難易度はテストよりも遥かに高いであろう難問だ。

こんな記号まだ出てないし、見たこと無いんだけど

絶対こんな問題出ないでしょ!
もしかして出るの?そうなの?
「え、えと先輩?このレベルの問題って出るんですか?」

「うん、出るわけないじゃん。」

「ですよねー、って!なら、なんでやらせるんですか!」

「だから、壁を固めるためだって。
一つの解き方じゃなくて、いろんな方向から見て問題が解けないと後々つまづくからね。
ほら、次これ解いて」
と、次の問題を指差す。
「・・・」
その問題も難しそうな問題で、思わず問題を睨み付ける。

「あれ、こんな問題も解けない?簡単なんだけどなぁ」
と、目の前から聞こえてくる声にむっとする。
絶対ニヤニヤしている、面白がっている!
俺だってこれでも、中学はトップの成績だったんだこんな風にバカにされて黙ってられない!
「解きますよ!解けば良いんでしょう?!」

「そうそう、その意気」
先輩はにこにこと楽しそうに俺が苦戦するのを見ていた。
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