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彼の秘密
第9章 テスト対策
よく童話で、王子様のキスで目覚めるお姫様がいるがこの状況はさしずめ王子様のハグで目覚めた市民だ。
別に上手いことを言いたいわけではない決して、てか上手くもなんもないし。

ただ、俺は今の状況に心底驚いている。

心を静めるために考えた戯言がこうなった訳だけど・・・

なんせ、悲鳴をあげなかっただけ褒めて欲しい。
朝、窮屈感を感じて目が覚めた。
そしたら先輩の寝顔が目の前にあって腰はガッチリとホールドされている。
そして後ろは壁だ。逃げ場がないどころか動くこともできない。

そもそもなんで俺は一緒にベッドで先輩と寝ているのか?
昨日のご飯を食べてからの記憶が全くない
てか、今先輩の寝息が聞こえてる。

「ん・・・」

あ、起きた?
と思ったら思い過ごしで先輩は俺をさらに抱きしめた。

ちょ?!もっと近くなるっていうか苦し。
俺は先輩の胸に押し付けられる形になった。

先輩の心臓音や寝息が聞こえる。そして香。
ほんとにいま、先輩に支配されてるみたいな感覚に陥って息がとまる。
昨日もあった感覚。

頭がボーとして来て、思わず先輩にみずからすり寄っていたことに気が付いたのは先輩の声だ
「おはよう、雫。」



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