この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第9章 最期の作品
そんな中でも、輝翔は作品を書き続けていた。
毎日少しずつではあるけれど、パソコンに向かい仕事をしている。
私が手伝うと言っても、「仕事には手を出すな」と言って、書斎にこもって、仕事をしていた。
コツコツ書き続けた原稿が仕上がったようで、輝翔が書斎から出て来て、電話をかけている。
多分電話の相手は、出版社の浅沼さん。
電話をする輝翔の表情は、すごくイキイキとしていて、その表情を見るだけで、私はホッとしていた。
「羽音。これから出版社まで行くけど、お前も一緒に行くか?」
「え?うん。一緒に行くよ。輝翔が車の運転するの?」
「あぁ。何だ?心配なのか?」
「うん…ちょっと。」
そう言った私の頭をポンポンとして、輝翔が優しく笑った。
「そんな顔するな。今日は調子もいいから、大丈夫だ。たまには、二人でデートでもしよう。」