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タイムリミット365
第9章 最期の作品
「そうか。わかったよ。そうだよな。」
浅沼さんは、輝翔が考えている事を理解したようで、深く頷いていた。
でも、その表情はすごく悲し気で。
私が今思った事が間違いではないと、確信してしまう。
そんな私の気持ちを感じたのか、浅沼さんが声を掛けてきた。
「ざっと目を通すから、二人で少し出掛けて来いよ。」
「そうだな。羽音、行くぞ。」
「あぁ、うん…。」
輝翔に腕を引っ張られ立ち上がると、浅沼さんが私にパチンとウインクをした。
浅沼さんなりに、気を使ってくれているんだ…。
でも、その憎らしい程にスマートな浅沼さんの仕種に、私は少しドキッとしてしまった。
輝翔には、絶対に内緒だけど。