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タイムリミット365
第9章 最期の作品
出掛ける前に二人で、あの屋上へと足を運ぶ。
輝翔と出逢った屋上。
原稿が書きあがったから、ここに輝翔と一緒に来る事は、もうないのかな。
今回が最後になるかもって言ってたけど、本当に次は書かないのかな。
いつもの場所に座る輝翔をチラッと見ると、初めて会った時の輝翔と今の輝翔が重なる。
あの頃の輝翔とは、見た目はずいぶん変わってしまった。
あの頃も細身だったけど、更に細身になった。
顔色も良くないし、健康的なイメージではない。
そんな輝翔を心配そうに見ていると、あの日のように、輝翔が煙草を吸い出した。
「ちょっ…!輝翔!!禁煙するんでしょ?」
私が慌てて輝翔に声を掛けると、輝翔はクスッと軽く笑って、煙草の煙りをフーッと吐いた。