この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第9章 最期の作品
その姿がすごく切なく感じて、私はそれ以上何も言う気になれなかった。
口から出した煙を瞳で追う輝翔。
久しぶりの煙草は美味しいのかな?
輝翔は今、何を考えているんだろう?
そんな事を思いながら、私はただ輝翔を見つめていた。
「時間がたつのはあっというまだよな。」
「えっ?」
「お前とここで出逢って、もう半年以上過ぎたんだなぁーって思ってさ。」
「そうだね…。」
「1年なんてあっというまだよな。365日もあるのにな。」
「そうだね…。」
何て返事をしたらいいのか、正直わからなかった。
だって、話している輝翔の瞳は、すごく遠くを見つめていたから…。
その言葉には、いろんな意味が含まれている事もわかっていたから…。