この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第9章 最期の作品
黙りこむ私を輝翔は、優しく見つめていてくれていた。
ゆっくり考えればいいと言うかのように。
輝翔の後は追えるけど、輝翔の最期には一緒にいられないかもしれない。
輝翔の最期までの生き様をしっかりと見守れるけど、輝翔のいない世界に残される現実。
どっちが幸せなんだろうか。
どちらも結局は、輝翔はこの世にいないのだから。
せめて、輝翔と過ごせるこの世界での時間を大切にしたい。
その時間が残り僅かだとしても、私は輝翔の最期をしっかりと見守っていきたいと思った。
もしかしたら、余命より長く輝翔は生きていられるかもしれないし。
そもそも、輝翔が死ぬなんて事もないかもしれない。
この先、どんな未来が訪れようとも、今は輝翔のそばにいて、一緒に1日1日を過ごしていきたいから。
私の答えは決まった。
もし、輝翔がこの世からいなくなってしまっても、私は輝翔の分も精一杯生きていく。
それが輝翔の望みでもあるんだもん。
約束はしっかり守るよ。