この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第9章 最期の作品
そんな私達の会話を浅沼さんも、穏やかな表情で聞いていた。
ここにいる誰もが、輝翔が作品が出る時も、この世に生き続けていると、願っていた。
きっと、輝翔は大丈夫。
そして輝翔のラスト小説は、たくさんの人に読んでもらえる。
だって、輝翔が魂を込めて作り上げた作品だから。
「じゃ、またな!今までありがとうな!」
「仕事では、もう会わないかもしれないが、友達としては、最後ではないだろ?これからも、よろしくな!」
そう言って浅沼さんが輝翔に手を差し出すと、輝翔が照れくさそうに笑った。
「いちいち口に出して言うなよ。恥ずかしいわっ!」
「お前との腐れ縁は、そう簡単には切れないって事だ。」
「あぁ、そうだな。」
そう言って輝翔は浅沼さんの手をギュッと握った。
最後になるかもしれないなんて、浅沼さんは決して思ってない。
そんな感じの強い瞳で、輝翔を見つめていた。