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タイムリミット365
第3章 365日の時間
階段を昇りきり、2階へと足を進める。
何部屋かあるみたいで、どの部屋も白くて、可愛いドアがついていた。
こんな大きな家に、タダで住ませてもらえるんだから、どの部屋でも貸してもらえるだけで有難いのに、選んでいいなんて、贅沢。
さっきまで私、死のうとしてたのに、今はこんな贅沢をしてるなんて…。
手前の部屋に入ると、そこはまさに、絵本の中の世界が広がっていて、私は自然に声が出ていた。
「わぁっ!可愛い!!」
天井からレースが伸びたお姫様ベッド。
レースのカーテンや、可愛い色の家具とか…。
何これーっ!!
超かわいいーっ!
すごい!こんな部屋住みたかったんだぁ!!
小さい頃に読んだ絵本。
その中に広がるお城の中の部屋。
それを見ては、自分もこんな部屋に住んでみたいと思った。
他の部屋になんて、全く興味がわかない程、私はこの部屋の虜になっていた。
本当、お姫様になったみたい…。
お姫様ベッドにポスッと身を投げると、フワフワなベッドに体が弾む。
…こんなに幸せを感じたのは、いつぶりだろうか…?