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タイムリミット365
第10章 愛を刻んで
「だけど…お前…。」
それでも、やはり躊躇する輝翔に、私はお願いする。
「輝翔…。大丈夫だから。私の最後のわがままだと思って聞いて。お願い。」
「……本当に大丈夫なんだな?」
「うん!大丈夫。」
「ハァッ…、わかったよ。」
ため息をついた輝翔が、私の頬を両手で優しく包みこんだ。
「ありがとう。輝翔をしっかりと感じたいの。輝翔がここにいる感覚を、しっかりと刻みたいの。」
「羽音。俺もお前を感じたい。俺をお前の体にしっかりと刻みたい。俺がいなくても、お前が俺をまた感じられるように。」
「輝翔…。」
そうこの愛の行為も、きっと今日が最期になる。
輝翔に抱かれる事は、もうこれから先ないだろう。
だからこそ、輝翔をしっかりと感じたいんだ。
輝翔で私の体の全てを満たしたい。
ただ、そんな気持ちでいっぱいだった。