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タイムリミット365
第10章 愛を刻んで
その思いだけで、私は輝翔に最期の嘘をついたんだ。
本当は安全日かどうかなんて、わからなかった。
何ヵ月か前まで死のうとしてた人間が、排卵期なんてちゃんと調べてるはずない。
自分の体の事なんて、輝翔に出会うまでは、大切に考えた事はなかった。
輝翔の病気を知ってからは、余計に自分を気にする余裕なんてなくて。
でも、今は輝翔の全てを受け入れたかった。
輝翔の全てを感じたかったから。
そんな私の嘘に輝翔は、やっと応えてくれた。
輝翔とのこの瞬間は、きっと私の最高の思い出になる。
そして、私はこの瞬間を絶対に忘れる事はないんだろうな。
ずっとずっと…。
永遠に…。