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タイムリミット365
第11章 愛をありがとう
「羽音ちゃん、そんなとこにいないで、こっちへおいで。」
浅沼さんの言葉を聞いた輝翔が、私の姿を見つけると微笑みながら手招きをした。
優しい瞳で私を見る二人に、私の気持ちが和らいでいく。
いつの間にか、自分でもわからないうちに、瞳に涙が溢れていた。
「何泣いてんだよ。おかしな奴だな。」
「もっと優しい言い方があるだろ。成海はそういうとこ、昔からちっとも変わらないな。」
「お前が、キザなだけだろ?俺が普通なんだよ。」
「はいはい、そういう事にしとくよ。な?羽音ちゃん?」
二人のやり取りを聞きながら、横で笑っていた私に、浅沼さんが、話をふってきた。
「え?私にそれを聞くんですか?」
「何だよ、羽音まで、コイツの味方か?俺がおかしいのか?」
「うーん。もうちょっと、優しくしてもらいたいかな?」
そう言った私に浅沼さんが爆笑した。
「ほれみろ!もうちょっと、優しくしてやれよっ。」
「………っ。」
言葉につまり、バツが悪そうな顔をしている輝翔がすごく可愛くて、私と浅沼さんは顔を見合わせて、吹き出してしまった。