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タイムリミット365
第12章 遺された愛
もう流す涙もでないよ…。
泣きたいのに、乾いてしまって、全く涙も出ない。
もう…廃人だな…。
輝翔、ごめんね。
約束守れないかも…。
ただ息をするだけの時間を過ごしていると、久しぶりに家のインターフォンが鳴った。
ピンポーン。
出るのも面倒で、しばらく無視をした。
どうせ、私に用事がある人なんて誰もいないのだから。
それなのに、しつこく鳴り続けるそれに、私もさすがに、イラッとする。
もう!なんなのよ!
どうせ、何かの勧誘でしょ?
そう思いながら、家のドアを開けると、そこには久しぶりの笑顔があった。
「羽音ちゃん、渡したいものがあって、今日は来たんだ。家に入っていいかな?」
優しく微笑んだ浅沼さんが、私のクシャクシャになった髪を撫でた。