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タイムリミット365
第12章 遺された愛
「散らかってますけど、どうぞ。」
突然の思わぬ訪問者に、ビックリしたけど、誰かと話すのも久しぶりだった私は、浅沼さんの訪問が嬉しかった。
部屋に入り荒れた生活を感じたのか、浅沼さんが心配そうに私に声を掛けてきた。
「羽音ちゃん、大丈夫か?ちゃんと飯とか、食べてるか?」
「大丈夫ですよ…。」
色々と聞かれたり、言われるのが嫌で、私は嘘をついた。
本当は最近、食べると吐いてしまうし、食べたいという気持ちにもならないのに。
そんな嘘も、すぐに浅沼さんにバレる事になるのだけど…。
キッチンで浅沼さんにコーヒーをいれていた私は、この後突然、大きな目眩に襲われた。
やだ…。
何?目の前がクラクラする…。
足に力が入らない…。
こんな生活を続けてたのだから、フラフラするのは、当然なのだけど…。
強烈な目眩に私は、いつの間にか意識を失いその場に倒れてしまった…。
「羽音ちゃん?どうした?」
薄れる意識の中、浅沼さんの声だけが、かすかに聞こえていた。