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タイムリミット365
第12章 遺された愛

☆浅沼楓side☆


親友の成海が亡くなった。

人一倍、努力家で人生を楽しんでいた奴が、こんなにも早く亡くなるなんて…。

成海が最期に書いた小説を片手に俺は、そんな事を考えていた。

成海の新作は、まだ世の中に発表されていない。

もともと、世間に正体を明かさず、執筆していた成海の死を知る人もいない。

そう、俺と彼女以外は…。


病院に運ばれる何日か前に、珍しく成海から俺のところに電話があったんだ。

昔から電話は面倒だから嫌いだ!という成海だったから、珍しくかかってきた電話に、不安を感じた。


「もしもし、成海だけど。今いいか?」

「おう!大丈夫だ。お前から電話なんて珍しいな。」


電話越しの声は、かなり弱々しくて、俺の不安を更に煽る。

きっとすごく大切な内容の電話なんだと、俺はすぐに悟っていたんだ。


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