この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
タイムリミット365
第12章 遺された愛
お前からの最期の頼み事は、羽音ちゃんの事だった。
成海に頼まれなくても、もちろん俺は、羽音ちゃんを支えようと思っていた。
お前の大切な恋人なんだからな…。
当然の事だろ。
「大丈夫だ。安心しろ。」
「浅沼…ありがとうな。」
「何だよ。調子狂うだろっ。成海らしくないぞ。」
「そうだな。じゃあな。お前が友達で良かった。」
「俺もだ。」
「元気でな!!」
そう言って電話は切れた。
あいつは、自分の最期をちゃんと分かっていた。
でも、その様子を周りには全く見せなくて、どこかでまだ、あいつが死ぬなんて事はないと思っていたんだ。
でも、お前は本当に逝ってしまった。
苦しむ事なく、静かに…。
愛する人に、見守られながら…。