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タイムリミット365
第12章 遺された愛
「成海の分も俺達が頑張らなきゃ、成海に申し訳ないだろ。少しずつでいいから、前に進もう!」
「はい。そうですよね…。」
「それに…羽音ちゃんが、そんな顔してたら、成海が俺の事を殴りに来そうだからね。」
浅沼さんが冗談まじりに、おどけながら言うので、私は思わず吹き出してしまった。
「輝翔なら、あの世からでも来そうですもんねっ。」
「あいつの執念はすごいからな。どこで見てるかわからないぞ。」
そんな事を言いながら、二人で笑い合う。
病室の中は、いつの間にか明るい雰囲気になっていた。
しばらく笑い合った後、浅沼さんが真剣な表情で私を見つめる。
えっ?
どうしたんだろう?
私、何か変な事言ったかな?
そんな心配をして、オドオドする私を見て、浅沼さんが優しく微笑む。
「やっぱ、羽音ちゃんには、笑顔が一番似合うよ。」
ドキッ…。
何気なく言っただろう、浅沼さんの言葉に、私の胸が高鳴った。
そして、浅沼さんの姿が輝翔と重なる。